ギャラリー・ラピス

絵画の制作、展覧会の紹介

築地本願寺にて

昨日は都内での仕事が早めに終わったので、ふと思いついて築地本願寺に寄りました。いや、身体が勝手に本願寺の方に向かっていた、というのが正しいかもしれません。


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真宗の家に育った私は、京都の西本願寺など本願寺系のお寺には良く行くのですが、何故か築地本願寺にはこれまでご縁がありませんでした(東京に長く暮らし、築地市場には何度も訪れたにもかかわらず…)。


私が院内に入ってまもなく、思いがけずお経が始まりました。平日の夕方にもかかわらず、多くの参拝者がいたのは、お経が始まることを皆さんご存知だったからかもしれません。

私は最初は何気にお経を聞いていましたが、次第にお経の声の美しさと、院内の中央に御坐す阿弥陀如来像の凜とした佇まいに引き寄せられ、自然と涙が溢れてきました。それは私にとって初めての経験でした。


私はこのところ精神的に疲れていたのかもしれません。縮こまっていた心が瞬間的に開放されてしまったのかもしれません。お経のあいだ、不思議と「自分自身生かされている」といった感覚を味わいました。また、「自分は一人ではなく、多くの人と繋がっている」といった思考が、無意識のうちに脳裏を駆け回っていました。お経の後、妙に心と身体が軽くなったように思いました。


私が訪れることを待っていたかのように始まったお経と、阿弥陀如来の慈悲に感謝した一日となりました。

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by 告天子